【モンティ・ホール問題 】あなたは、最初に選んだ商品のままにしますか?それとも、変更しますか?



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モンティ・ホール問題が、テレビ(林先生の痛快生きざま大辞典)で放送されていたので紹介。

 

この問題は、ブラック・ショールズ・オプション価格モデルの、フィッシャー・ブラックが出した問題で、マリーン・フォス・サーバントが読者からの質問に対して、この問題に答えたことから全米で有名になった。(よく紹介される話なので知っている方も多いと思う。)

 

名著「新マーケットの魔術師」でも、オプショントレーダー、ジェフ・ヤスが紹介していおり、分かりやすいため引用する。(皮肉なことに、ヤスがインタビューで話した四週間後に、マリーン・フォス・サーバントがこの質問に回答し、話題になったそうだ。

 

新マーケットの魔術師

新マーケットの魔術師

 

 

テレビゲームのゲーム番組に出演していると思ってください。ベールに隠された三つの商品の中から一つを選びます。あなたが選んだのは、一番の商品です。司会者は、「OK、キャロル、二番の商品を開けてください」と言い、アシスタントがベールを取ると、どうでもいいような品物です。司会者は何番の商品が高価なものであるか知っているのです。したがって、彼はベールを取る順番を心得ているのです。ここで司会者は「三番に変えますか?」と、聞いてきます。一番のままでいいのか、三番に乗り換えるべきなのか?

 

さて、あなたは、最初に選んだ商品のままにしますか?それとも、変更しますか?

変えても変えなくても同じ、と思ったのではないだろうか。

 

正しい答えは「こういうときは必ず三番に変える」です。あなたが一番を選んだとき、選ばなかった二番、三番のベールの下に豪華商品が隠されている確率は、三分のニでした。司会者二番のベールを取ったことによってこの確率が変わったかというと、変わっていないのです。司会者は、いつも豪華商品の隠されていない方のベールを最初に取る訳ですから。したがって、この段階で三番のベールの下に求めるものがある確率は三分のニなのです。

(中略)

人を惑わせているのは、この種の番組の流れは調整されている、という事実です。もし司会者が何も知らないで二番を開けたとしたら、豪華商品がベールに隠されている確率は確かに一番と三番がそれぞれ五十%です。そして、もし司会者が何も知らなかったのなら、豪華商品は、二番のベールに隠されていたかもしれません。そんなこと、あったためしがないですけれど。司会者は、必ずどうでもいい商品にかけられたベールを取るのです。そして、このことが確率を変えるのです。典型的な、条件付き確率の例ですね。豪華商品が二番と三番のベールの下に隠されている確率が三分のニで、以上の状況の中で、二番でないことが分かって、この時点で三番に隠されている確率はどうでしょう?答えはもちろん三分のニです。

 

どうだろうか、正解は「変更する」だ。上記の説明が分かりにくい人は以下の説明を読むといい。 

 

三分の一の確率が二分の一に思えてしまうこのパズルのポイントは、選択肢を三つに限定していることである。選択肢が一〇〇あって、そのうちの一つが当たり、とすると考えやすい。最初の選択のとき、当たる確率は低い(一〇〇分の一)。もし司会者が九八番目のベールを取って外れだったら、二つ残ったうちの選択されていないベールの下に当たりがある確率は高い(一〇〇分の九九)。この時点で五〇%の確率ではなくなっているのであるが、ほとんどの人にとって、ここで選択を変えるのは直感でしかない。(コリー・フランクリン)

 

この問題は、人の感覚と事実との差分に気づかせてくれる非常にいい問題で、新マーケットの魔術師の中でも、著者が以下のように書いている。

 

ポイントは、感覚が人をだます、ということである。瞬間的には、一番も三番も確率は五〇%と、だれでも思う。しかし、よく考えてみると、最初には見えなかった確率の変化が見えてきて、選択を変える方が有利であることが分かる。ヤスの話の中では、トレーディングに関して、状況をすべてのアングルから検討してみることを示唆している。衝動的に結論付けることは、しばしば失敗することがあるからである。当然の結論で稼ぐことはできないのである。

 

投資、トレードにおいても、感覚に任せた衝動的な行動はしばしば失敗となる。常にあらゆる方向から検討するべきことを、この問題は気づかせてくれる。

 

 

金融工学者フィッシャー・ブラック

金融工学者フィッシャー・ブラック

 

 

新マーケットの魔術師

新マーケットの魔術師

 

 

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