経済危機を予測するには



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ディディエ・ソネット: 経済危機を予測するには | Talk Video | TED.com

 

 

バブルが弾ける時期を事前に特定する

 

むかし むかし 人々は経済の成長と 繁栄の中に暮らしていました この時代は「大いなる安定」と呼ばれましたが 多くの経済学者や 政策立案者 - 中央銀行による間違った思い込みでした 終わりのない成長と繁栄をもたらす 新しい世界になったのだという 間違った観念です 確かに当時 GDPは着実に伸びており インフレも抑えられ 失業率も低く 市場の変動も うまくコントロールされていました しかし2007年と 2008年に起こった大不況は 大暴落を引き起こし 幻想を打ち壊しました 金融部門で生まれた 数千億ドルの損失が 世界のGDPの損失を 5兆ドルまで増大させ 更に世界中の株式市場を合わせると 約30兆ドルの損失を生みました そして この大不況に対する解釈は このようなものでした これは 全く予期しなかったことで 晴天のへきれきであり 神の怒りのようだったということ 誰のせいでもない

 

そこで これに対して 私たちは Financial Crisis Observatory (経済危機観測所)を開設しました リアルタイムで起きている金融バブルを 調査分析して バブルが弾ける時期を 事前に特定するのが目的です この経済観測所の 科学的な支柱は何でしょう? 「ドラゴンキング」理論です ドラゴンキングは極端な出来事を 意味します 他のものとは規模が違う 特別なもの 飛び抜けたものです 特殊なメカニズムが 引き起こすので 発生を予測したり 制御することもできるでしょう

 

金融の時系列を見てみましょう 特定の株や 理想的な株 世界の指標を見ても同じですが このような 起伏が見られます 実は金融市場のリスクの 良い指標となるのが 価格の最大下落率です これは最高値で買い 最安値で売るような 最悪の状況を表す値です 統計を見ると 異なった規模の - 最大下落率の発生頻度が分かります グラフが それを示しています 興味深いことに 振幅の規模は違っても このような価格変動の99%が 典型的なべき乗則に 従って起こることがわかります この赤い線ですね [縦軸:最大下落率の相補累積分布]

 

でも 興味深いのは例外がいくつも [縦軸:最大下落率の相補累積分布] 赤い線から外れて存在する事です 「横軸:NSDEQの価格変動 (%)] 他の99%の価格変動を基に 「横軸:NSDEQの価格変動 (%)] 予測した数よりも 「横軸:NSDEQの価格変動 (%)] 少なくとも100倍もの例外が 発生しています 原因は 強力な依存性にあります 損失が損失を呼び また損失が 別の損失を生み出す そのような依存性が 標準的な危機管理ツールでは 見逃されています 小さなトカゲしか見ておらず ドラゴンキングを見逃しているのです ドラゴンキングの根本的なメカニズムは 徐々に不安定 つまりバブルに 向かっていく過程であり バブルが極限を迎えると 大抵 暴落が起こります これは 水をゆっくり加熱することと似ています 試験管の温度が沸点に近づくと 液体が不安定な状態になり そこで気化が起こります この過程は まったく直線的ではなく 従来の手法では予測することはできません 様々な要因が絡み合って発生するもので 基本的に内部から生じるものです

 

暴落 そして危機の原因は システムの内部にある 不安定な性質にあるはずで ほんの少しの動揺が この不安定を生み出すのです これは 良く耳にする ブラックスワン理論と関係あるかと 思う方もいるかもしれません 黒い白鳥は滅多にいないので それに出会うことで 白鳥は白いという 確信が崩れ去るという理論です この理論の捉えるのは 事の予測不可能性 極端な出来事は 基本的に 予測できないという概念です 極端な出来事は 基本的に 予測できないという概念です 私のドラゴンキング理論とは正反対です

 

 

正のフィードバックによる超急成長

 

この理論では 極端な出来事の多くは 理解でき 予測することもできるのです この能力を身に付ければ 稀な出来事をきちんと 予測できるようになるのでしょう ドラゴンキングで黒鳥をやっつけましょう (笑) この理論で予想される 早期の警告信号は たくさんあります ひとつを紹介しましょう 正のフィードバックによる 超急成長 どういうものでしょう?

 

このような投資をしたとします 1年目に5%のリターンを受け取り 2年目には10% 3年目は20% 翌年は40%の見返りがあったら すばらしいですね これが超急成長です 普通の急成長だったら 一定の成長率を保ちます 例えば10%ほど しかしバブルが起こっている間は 正のフィードバックが何度も起こり 前回の成長が 次の成長を さらに推し進めるという 前回の成長が 次の成長を さらに推し進めるという このような超急成長の形になります とても強力で 持続可能ではありません

 

重要なのは この類のモデルから 数学的に答えを出すと ある時点で無限大になることです つまり いつか危機を迎え システムが崩れ レジームが転換する時が来るのです 崩壊かもしれないし 停滞するかもしれません 更に 重要なのは 危機が起こる時期についての情報が 超急成長の初期の段階に あるということです

 

この理論を試し 我々の 最初の成功となったのは アリアン・ロケットの主要部品の 破損診断でした 微小破壊音を使うと -- これは 構造体の発する かすかな音ですが -- この音から 構造へのストレスや 損傷の進み具合がわかります 正のフィードバックが重ねて起こり ダメージがダメージを生む状態では かなりの精度で 破損が起こるときの 予測が可能になります あまりにも良い成果が認められ 今では飛行検査の初期段階で 活用されています

 

もっと驚くべきは同じような理論が 生物学や 薬学 出産や てんかん発作にも 見られるということです 妊娠7ヶ月から 母親は 一時的な前兆の陣痛を感じ始めます それは不安定さが 成熟していく兆候であり 赤ちゃんを産むこと ドラゴンキングが生まれます 事前の兆候を測定する事によって これから起こるであろう問題を 事前に特定できます てんかん発作も 様々な規模で現れます 脳が最も危機的な状態になると ドラゴンキングが現れますが ある程度予測可能なので 患者がこの病気に 対処できるようになります

 

 

バブル、バブル、バブル 量的緩和を通して同じことが繰り返されている

 

多くのシステムに この理論を採用してきました 地滑り 氷河の崩壊 ビジネスの成功の予測にもです レンタルビデオ YouTube 映画など しかし最も大事なのは 金融に対してです この理論は 我々が経験した金融危機の 根本的な原因を明らかにしたと思います バブルの30年の歴史に根ざしてします 1980年に始まった世界規模のバブルは 1987年に崩壊し その後も数々のバブルがありました

 

最も大きかったのは 「新経済」のITバブル 2000年に崩壊しました 多くの国での 住宅バブル 世界中での 金融派生商品バブル 株式市場バブルもそうです 商品市場バブル 負債とクレジットバブル バブル バブル バブル… 世界規模のバブルが起きました これは市場が世界的に - 過剰評価されていたことを 表す証拠であり 2007年に突然 崩壊した 永遠に続くと信じられた マネーマシンの幻想を表しています

 

問題は 特に量的緩和を通して 同じことが繰り返されていることで 2008年以来も危機を脱するためには 新たなマネーマシンが 必要だという考えです アメリカ ヨーロッパや 日本においてもです 量的緩和や緊縮政策が 核心を攻めなければ失敗に終わると 理解するのに重要です 永続的なマネーマシンの考えを 生む構造を攻めなければ いけないのです

 

私は 大きなことを言いました 信じられるかって? 過去15年の間に 我々は象牙の塔から出て 事前に世間に発表してきました 「事前に」ということを 強調しておきます バブルや行き過ぎた経済が 経済危機によって明るみになる前です 近年私たちが体験してきた 主要なバブルの予測です

 

それぞれに 興味深い話がありますが 今回は いくつかだけお話ししましょう 巨大バブルについてです 中国の奇跡を知っていますね これは巨大バブルへの 株式市場の反応を表しており たった数年の間に 300%も成長しました 2007年の9月に 私はマクロヘッジファンドの マネジメント会議の 講演を頼まれました そして予測を発表したのです 2007年の終わりに 今のバブルは レジームを転換させるだろうと 崩壊するかもしれないし 維持できるはずがないと 頭脳明晰で 野心があり 様々な情報を持った - マクロヘッジファンドの責任者たちが どう反応したか 想像できますか?

 

バブルを上手く乗りこなして 莫大な富を築いていた人たちです 彼らは私に言いました 「ディディエ君 市場は過剰評価されているかもしれない でも忘れてることがある 2008年8月に 北京オリンピックがある だから中国政府が 経済を管理することは 明らかだし 問題を避けるためなら 何だってする 株式市場も管理するだろう」と 私の講演から3週間後 市場は20%下落しました その後 市場の変動や 経済の混乱を引き起こし 年度末には 損失は 70%に上っていました

 

どうしてこんなにも 間違った判断をするのでしょう 科学的な裏付けを 誤解したり 無視します 不安定な状態が続き システムが成熟すると どんな不安要素も 管理することは 不可能になってしまうというのに 中国市場は崩壊しましたが 立ち直りました 2009年に この小規模な 新しいバブルは 持続不可能だと決定しました 我々は事前に 予測を再度 発表しました 2009年の夏までには 市場は是正され 今の状態は続かないと この予測を見た 評論家たちは 「まさか ありえない」と言いました 「中国政府がついている 失敗の経験を生かし しっかり管理するはずだ この成長から利益を得たいのだから」

 

失敗の経験を生かさなかったのは 評論家の方かもしれません 危機は起こり 市場は是正されました そうなると 評論家はこう言います 「そうか 君が予測を発表したこと自体が 市場に影響を与えたんだ "予測" とは呼べないな」 よっぽど私に パワーがあったんでしょうね 興味深いことです 経済科学を発展させることは 基本的には現在まで不可能でした 人は意識的に先読みをするので 自己充足的予言 という問題が生じます

 

 

経済バブル実験

 

そこで新しい科学的手法を 発明しました 「経済バブル実験」です 概要はこうです 市場を観察します 過剰 バブルを特定し 調査し レポートを書きます バブル崩壊時期の予測を 書いておきます 発表することはなく 秘密にしておきます 現代の暗号機能を駆使して ハッシュして 公開キーを公表します そして半年後に レポートを 公開します 作成記録も含まれています 国際的なアーカイブを通して 行なわれるため 後から発表したと 責められることもありません

 

最近の分析をご紹介しましょう 2013年5月17日 ちょうど2週間前 アメリカの株式市場は 不安定な状態にあったので 5月21日にウェブで発表したのです レジームが転換するだろう と 翌日 レジーム転換し始めました 金融崩壊ではありません 巨大なバブルができる まだ初期の段階です 惑星の大きさにテーマを変えても プロセスは同じです どこを見ても同じです 生物圏 大気圏 海の中でも このような超急速軌道が現れ 維持不可能な方向を明らかにし 相転移を知らせます

 

この右の図は 数々の研究の とても素晴らしい集大成で いまから数十年間は 非直線的な変化が 実際に起こりえることを 示唆しています バブルはどこにでもあるんですね これは楽しみだとも言えます 私のような 大学教授 -- マスコミの言う バブルを追い ドラゴンを退治する 者にとっては最高です

 

 

ドラゴンは退治できるのか?

 

しかしドラゴンは 退治できるのでしょうか? つい最近 他の機関と協力して 動的システムを研究しました 大きな輪のように見えるドラゴンキングを 排除するために わざと とても小さな動乱を タイミングよく起こしたのです 〈Gouverner, c'est prevoir〉 「統治とは 計画と予測である」 しかしこれは 人類の直面する 最大の問題ではありません 私たちには 高まる試練と危機に面している 社会と地球を維持させる 責任があるのです ドラゴンキング理論には希望があります システムの多くには 予兆となる サインがあることが分かりました 危機を事前察知する 手法の開発は可能ですから 準備をして 対策を取れば 責任を持って対処する事ができます 過剰経済や大不況のような危機 不意をつかれたヨーロッパ危機を 2度と繰り返さないために ありがとうございました (拍手)

 

Why Stock Markets Crash: Critical Events in Complex Financial Systems

Why Stock Markets Crash: Critical Events in Complex Financial Systems

 

 

 

原文 

Once upon a time we lived in an economy of financial growth and prosperity. This was called the Great Moderation, the misguided belief by most economists, policymakers and central banks that we have transformed into a new world of never-ending growth and prosperity. This was seen by robust and steady GDP growth, by low and controlled inflation, by low unemployment, and controlled and low financial volatility.

 

But the Great Recession in 2007 and 2008, the great crash, broke this illusion. A few hundred billion dollars of losses in the financial sector cascaded into five trillion dollars of losses in world GDP and almost $30 trillion losses in the global stock market.

 

So the understanding of this Great Recession was that this was completely surprising, this came out of the blue, this was like the wrath of the gods. There was no responsibility. So, as a reflection of this, we started the Financial Crisis Observatory. We had the goal to diagnose in real time financial bubbles and identify in advance their critical time.

 

What is the underpinning, scientifically, of this financial observatory? We developed a theory called "dragon-kings." Dragon-kings represent extreme events which are of a class of their own. They are special. They are outliers. They are generated by specific mechanisms that may make them predictable, perhaps controllable.

 

Consider the financial price time series, a given stock, your perfect stock, or a global index. You have these up-and-downs. A very good measure of the risk of this financial market is the peaks-to-valleys that represent a worst case scenario when you bought at the top and sold at the bottom. You can look at the statistics, the frequency of the occurrence of peak-to-valleys of different sizes, which is represented in this graph. Now, interestingly, 99 percent of the peak-to-valleys of different amplitudes can be represented by a universal power law represented by this red line here. More interestingly, there are outliers, there are exceptions which are above this red line, occur 100 times more frequently, at least, than the extrapolation would predict them to occur based on the calibration of the 99 percent remaining peak-to-valleys. They are due to trenchant dependancies such that a loss is followed by a loss which is followed by a loss which is followed by a loss. These kinds of dependencies are largely missed by standard risk management tools, which ignore them and see lizards when they should see dragon-kings. The root mechanism of a dragon-king is a slow maturation towards instability, which is the bubble, and the climax of the bubble is often the crash. This is similar to the slow heating of water in this test tube reaching the boiling point, where the instability of the water occurs and you have the phase transition to vapor. And this process, which is absolutely non-linear -- cannot be predicted by standard techniques -- is the reflection of a collective emergent behavior which is fundamentally endogenous. So the cause of the crash, the cause of the crisis has to be found in an inner instability of the system, and any tiny perturbation will make this instability occur.

 

Now, some of you may have come to the mind that is this not related to the black swan concept you have heard about frequently? Remember, black swan is this rare bird that you see once and suddenly shattered your belief that all swans should be white, so it has captured the idea of unpredictability, unknowability, that the extreme events are fundamentally unknowable. Nothing can be further from the dragon-king concept I propose, which is exactly the opposite, that most extreme events are actually knowable and predictable. So we can be empowered and take responsibility and make predictions about them. So let's have my dragon-king burn this black swan concept.

 

(Laughter)

 

There are many early warning signals that are predicted by this theory. Let me just focus on one of them: the super-exponential growth with positive feedback. What does it mean? Imagine you have an investment that returns the first year five percent, the second year 10 percent, the third year 20 percent, the next year 40 percent. Is that not marvelous? This is a super-exponential growth. A standard exponential growth corresponds to a constant growth rate, let's say, of 10 percent The point is that, many times during bubbles, there are positive feedbacks which can be of many times, such that previous growths enhance, push forward, increase the next growth through this kind of super-exponential growth, which is very trenchant, not sustainable. And the key idea is that the mathematical solution of this class of models exhibit finite-time singularities, which means that there is a critical time where the system will break, will change regime. It may be a crash. It may be just a plateau, something else. And the key idea is that the critical time, the information about the critical time is contained in the early development of this super-exponential growth.

 

We have applied this theory early on, that was our first success, to the diagnostic of the rupture of key elements on the iron rocket. Using acoustic emission, you know, this little noise that you hear a structure emit, sing to you when they are stressed, and reveal the damage going on, there's a collective phenomenon of positive feedback, the more damage gives the more damage, so you can actually predict, within, of course, a probability band, when the rupture will occur. So this is now so successful that it is used in the initial phase of [unclear] the flight.

 

Perhaps more surprisingly, the same type of theory applies to biology and medicine, parturition, the act of giving birth, epileptic seizures. From seven months of pregnancy, a mother starts to feel episodic precursory contractions of the uterus that are the sign of these maturations toward the instability, giving birth to the baby, the dragon-king. So if you measure the precursor signal, you can actually identify pre- and post-maturity problems in advance. Epileptic seizures also come in a large variety of size, and when the brain goes to a super-critical state, you have dragon-kings which have a degree of predictability and this can help the patient to deal with this illness. We have applied this theory to many systems, landslides, glacier collapse, even to the dynamics of prediction of success: blockbusters, YouTube videos, movies, and so on. But perhaps the most important application is for finance, and this theory illuminates, I believe, the deep reason for the financial crisis that we have gone through. This is rooted in 30 years of history of bubbles, starting in 1980, with the global bubble crashing in 1987, followed by many other bubbles. The biggest one was the "new economy" Internet bubble in 2000, crashing in 2000, the real estate bubbles in many countries, financial derivative bubbles everywhere, stock market bubbles also everywhere, commodity and all bubbles, debt and credit bubbles -- bubbles, bubbles, bubbles.

 

We had a global bubble. This is a measure of global overvaluation of all markets, expressing what I call an illusion of a perpetual money machine that suddenly broke in 2007.

 

The problem is that we see the same process, in particular through quantitative easing, of a thinking of a perpetual money machine nowadays to tackle the crisis since 2008 in the U.S., in Europe, in Japan. This has very important implications to understand the failure of quantitative easing as well as austerity measures as long as we don't attack the core, the structural cause of this perpetual money machine thinking.

 

Now, these are big claims. Why would you believe me? Well, perhaps because, in the last 15 years we have come out of our ivory tower, and started to publish ex ante -- and I stress the term ex ante, it means "in advance" — before the crash confirmed the existence of the bubble or the financial excesses. These are a few of the major bubbles that we have lived through in recent history. Again, many interesting stories for each of them. Let me tell you just one or two stories that deal with massive bubbles.

 

We all know the Chinese miracle. This is the expression of the stock market of a massive bubble, a factor of three, 300 percent in just a few years. In September 2007, I was invited as a keynote speaker of a macro hedge fund management conference, and I showed to the conference a prediction that by the end of 2007, this bubble would change regime. There might be a crash. Certainly not sustainable. Now, how do you believe the very smart, very motivated, very informed macro hedge fund managers reacted to this prediction? You know, they had made billions just surfing this bubble until now. They told me, "Didier, yeah, the market might be overvalued, but you forget something. There is the Beijing Olympic Games coming in August 2008, and it's very clear that the Chinese government is controlling the economy and doing what it takes to also avoid any wave and control the stock market."

 

Three weeks after my presentation, the markets lost 20 percent and went through a phase of volatility, upheaval, and a total market loss of 70 percent until the end of the year.

 

So how can we be so collectively wrong by misreading or ignoring the science of the fact that when an instability has developed, and the system is ripe, any perturbation makes it essentially impossible to control?

 

The Chinese market collapsed, but it rebounded. In 2009, we also identified that this new bubble, a smaller one, was unsustainable, so we published again a prediction, in advance, stating that by August 2009, the market will correct, will not continue on this track. Our critics, reading the prediction, said, "No, it's not possible. The Chinese government is there. They have learned their lesson. They will control. They want to benefit from the growth." Perhaps these critics have not learned their lesson previously. So the crisis did occur. The market corrected.

 

The same critics then said, "Ah, yes, but you published your prediction. You influenced the market. It was not a prediction."

 

Maybe I am very powerful then. Now, this is interesting. It shows that it's essentially impossible until now to develop a science of economics because we are sentient beings who anticipate and there is a problem of self-fulfilling prophesies.

 

So we invented a new way of doing science. We created the Financial Bubble Experiment. The idea is the following. We monitor the markets. We identify excesses, bubbles. We do our work. We write a report in which we put our prediction of the critical time. We don't release the report. It's kept secret. But with modern encrypting techniques, we have a hash, we publish a public key, and six months later, we release the report, and there is authentication. And all this is done on an international archive so that we cannot be accused of just releasing the successes.

 

Let me tease you with a very recent analysis. 17th of May, 2013, just two weeks ago, we identified that the U.S. stock market was on an unsustainable path and we released this on our website on the 21st of May that there will be a change of regime. The next day, the market started to change regime, course. This is not a crash. This is just the third or fourth act of a massive bubble in the making. Scaling up the discussion at the size of the planet, we see the same thing. Wherever we look, it's observable: in the biosphere, in the atmosphere, in the ocean, showing these super-exponential trajectories characterizing an unsustainable path and announcing a phase transition. This diagram on the right shows a very beautiful compilation of studies suggesting indeed that there is a nonlinear -- possibility for a nonlinear transition just in the next few decades.

 

So there are bubbles everywhere. From one side, this is exciting for me, as a professor who chases bubbles and slays dragons, as the media has sometimes called me.

 

But can we really slay the dragons? Very recently, with collaborators, we studied a dynamical system where you see the dragon-king as these big loops and we were able to apply tiny perturbations at the right times that removed, when control is on, these dragons.

 

"Gouverner, c'est prévoir." Governing is the art of planning and predicting. But is it not the case that this is probably one of the biggest gaps of mankind, which has the responsibility to steer our societies and our planet toward sustainability in the face of growing challenges and crises?

 

But the dragon-king theory gives hope. We learn that most systems have pockets of predictability. It is possible to develop advance diagnostics of crises so that we can be prepared, we can take measures, we can take responsibility, and so that never again will extremes and crises like the Great Recession or the European crisis take us by surprise.

 

Thank you.

 

(Applause)

 

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